国別留学事情 イギリス教育制度
イギリスの教育制度
中等教育
教育制度は、細部は全国統一ではありませんが、公立、私立とも5〜7歳で小学校1年生に入学し、16歳で義務教育が修了します。
イギリスの大きな特徴は、『卒業』という考え方がないことで、イヤー11修了の年に、GCSEという統一試験があります。受験義務はありませんが、この試験の結果はその後の進学や就職の際の選考基準として重きをおかれます。
イヤー11修了後の2年間は、職業専門学校と進学準備校に進路が分かれます。大学進学希望者はイヤー12、13でGCE・Aレベルの試験を受けます。いずれの試験も科目ごとに行われるもので、学生は自分が必要な科目だけを受験し、その成績は大学へのアプライ(出願)の決め手になります。
高等教育
オックスフォード、ケンブリッジを頂点とするイギリスの大学は1校を除いて公立です。
University,College of Higher Educationなど学士号が取得できる大学でもその成り立ちにより名称がまちまちですが、学位のレベルには変わりありません。大部分の大学の学部は3年間で学士号が取得できます。
9割以上が公立、留学生は私立へ
イギリスの学校教育は公立校が主流ですが、公立校は留学生を受け入れません。留学生は私立ボーディングスクール(寮制校)へ留学します。ボーディングスクールは小学校からありますが、留学生は中等教育からが一般的です。
公立校の場合は、イヤー7(11歳)から中等教育(Secondary School)に入りますが、私立校の場合は、男子校、共学校、女子校によって中等教育(Senior School)への進学年齢が違います。男子校と共学校は13歳から、女子校は11歳から受け入れます。ただし女子が共学校へ進学する場合は、12歳でも 13歳でも入学できるのです。
したがって区切りのよさを考えると、男子は13歳、女子は11歳から留学するのがよいことになります。
しかも公立私立を問わず、イヤー10・11(日本の中3・高1に当たります)は前述のGCSEの試験課程に入ります。日本の中学卒業後では、ちょうどイヤー11に当たるので、年齢が下の学年に入ることになります。
発言の多い授業
生徒は科目ごとに教室を移動します。そのため休み時間の廊下はごった返します。休み時間は5分しかないのに、目指す教室は遠く、ということも少なくないため、広大なキャンパスを走っている生徒をよく見かけます。というのも、イギリスでは遅刻に非常に厳しく、時には教室に入れてもらえないこともあるからです。
授業は宿題と発表と討論が大きな要素を占めています。教科書に沿って先生が講義をするというスタイルもないわけではありませんが、多くの科目で、教科書や参考書籍を読んで意見をまとめるという宿題が出されます。それも30ページとか50ページという大量なページです。留学生にとってこれは大変な負担。最初のうちはできなくてもそう悲観することはありません。
個人やグループでの研究発表をすることや、あるテーマについて討論をするなどの機会はもちろん、先生はしょっちゅう生徒に発言を求めます。生徒もまた先生の話を中断して手を挙げて質問をします。何も発言をしなくても責められることはありませんが、存在を忘れられてしまいかねないので、機会を捉えて発言するように努力しなくてはなりません。1日1回は発言することを自分に義務づけているという留学生もめずらしくありませんし、発表が苦手なのを補うためにレポートには人一倍がんばるという留学生もいます。
日本とは違う授業スタイル
イヤー11、12、13(日本の高1・2・3年にあたる)と連続して統一試験の試練に立ち向かわなくてはならないイギリスの学生は、たいへんな勉強家ぞろいです。けれども学校の教育は必ずしも知識教育ではありません。初等教育でも最低9科目のカリキュラムであり、中等教育ではさらに科目は増えますが、基本的に、得た知識でものを考えることを訓練することを重んじています。さまざまな答を導き出してみることや正解に至るプロセスを通して個人の能力を養うのが教育だと考えられているからです。その考えが試験方法にもあらわれています。試験はすべて自分の考えをまとめる記述式。授業も常に時分の考えを発言することを求められるので、英語力にハンデのある留学生にとっては、ハードな授業と言えます。
またけっして机に向かって勉強する時間が長いわけではなく、スポーツ・芸術・社会活動は、学校教育のなかで重要な位置を占めています。学生たちは30種類以上もあるクラブ活動のいくつかに参加して、放課後を過ごします。またシーズンごとに対外試合やコンクールで活躍します。
卒業資格の代りに統一試験
GCSE課程
『卒業』のないイギリスでは、イヤー10、11の2年間は、GCSE課程になります。だからといって学校生活が一変するわけではありませんが、試験に向けて科目選択をしていきます。約20科目のなかから、10科目程度を選択します。必修は学校によって違いますが、英語(国語)、数学、フランス語、理科など。
採点方法は、2年間の平常点(レポートや小テスト)の評価と試験の点数の総合評価です。評価は絶対評価で、1科目ごとにA〜Gまでのグレードが付き、その成績が、義務教育修了の証です。
GCSEの成績は、イヤー12、13を過ごす学校への進学の際も、その後の就職の際も、また大学進学の際もAレベルの成績とともに必要になります。
GCE・A課程
大学進学のためにはさらに2年間GCE・Aレベルの課程に進みます。進学先は6th Form 、Tutorial CollegeあるいはCollege of Further Educationになります。Aレベルの課程は、日本の大学1〜2年の一般教養課程に当ります。イヤー12、13で数科目ずつ受験し、成績はA〜Eが合格です。大学での専攻を見据えて、それに必要な受験科目を自分で選びます。
Aレベル受験が終わると、大学にアプライ(出願)です。イギリス全土の大学数は100校足らず。1校を除いてすべてが国立です。アプライにはGCSE(C以上)とGCE・Aレベルの成績が必要。大学学部はおおむね3年間で修了できます。
留学生の場合は
留学生もGCSEを取り、Aレベルに進むのが順当ですが、高校生になってからイギリス留学を考えた人は、いきなりAレベル課程に入ることになります。事前英語研修をやったとしても、2年間でAレベル挑戦は無理という場合は、3年がかりでAレベル課程に取り組むことが考えられます。
なお日本の高校卒業資格があれば、1年間のファウンデーションコース留学を経て、イギリスの大学進学への道が開かれています。
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